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横浜・岩亀横丁の市民酒場「常盤木」(2/2)

今回は「市民酒場 常盤木」さん訪問記です。
その前に「市民酒場」なるものを少しお話します。

「市民酒場」というのは横浜独特の呼び名だそうで、横浜市中区史(1985年刊行)によれば、「太平洋戦争末期の大衆酒場では問屋からの配給による酒の売上げではとても商売にならないため、やみ値による酒の横流しや自家消費が横行されていて、それを防ぐため県が大衆酒場を整理統合してゆこうとする「市民酒場」構想を立てたのが始まりという。市内700店を3店を一組として共同経営させる酒場として統合し、売上規模に応じて3つのランク分けして配給量を決めるなど個人のやみ売りや横流しができないような仕組みとして、昭和19年10月から営業を開始した」となっている。

一方で「神奈川県ふぐ協会」のホームページを見ると「昭和13年に横浜銀座(現在の南区周辺)に横浜市民酒場組合が出来、現在のふぐ協会の原点となる」と記載されている。市民酒場設立時期が異なっており、これは何故か、どちらが正しいのかの疑問が残る。今後調べてみたい。

常盤木店主からいただいた「横浜市民酒場組合」の会報に以下のように記されている。
「戦争末期-戦後の大混乱期に先達さん達は大変苦労された事、子供心に自分の目に焼き付いています。物資は底をつき食料は皆無に等しい状態の中で国民は空腹を抱えて希望もなくその日その日を暮していくのがやっとでした。それでと歯を食いしばり、額に汗して働く人たちのためにもと、あちらこちらを駆けずり回ってわずかな飲み物食べ物を買い出して集め勤労者に安い価格で提供したものです。これが本来の市民酒場のゆえんでもあり使命でもありました。」

「横浜市民酒場組合」は一時期100店舗近い大所帯だったそうだが、時代の趨勢で会員数は次第に減少し組合は解消されたとのこと。会員の多くはふぐ調理も行っていたので、「神奈川県ふぐ協会」にも加入しており、実質的には「ふぐ協会」が引き継いだ格好になっているそうだ。(常盤木店主談)

「常盤木」店主からいただいたリストによれば、当時の会員店で現在残っているのは30店舗(鶴見支部を除く)あるそうだが、今でも「市民酒場」の看板を掲げているのは、「常盤木」さん、東神奈川の「みのかん」さん、子安の「諸星」さんの3店舗のみである。巷のブログには、「市民酒場」は3店舗のみ残っていると書かれているが、正確には上記のとおりである。それでは3店舗以外の店は、どうなったかといえば、実は今でも居酒屋や割烹などを続けているのだ。何故「市民酒場」という看板を下ろしたのか等経緯については興味があるので、是非調べてみたい。

前置きが長くなったが、「常盤木」さんの話に戻る。

「岩亀稲荷」から50mほど雪見橋寄りのところにある「常盤木」さん。
暖簾にしっかりと「市民酒場」と書かれている。店の場所は開業時から変わっていないが、建物は改装されていて、現在の店主は4代目とのこと。
DSC_0745.jpg

元々酒屋が始まりだそうで、「市民酒場」ができるのとともに居酒屋に転向し(というか二者択一を迫られてということのようで、飲食店を選択したがために酒屋のコップ酒問題で大変苦労されたようです)今に至っている。

入口のすぐ前に5席のカウンター、その横と奥にテーブル席が4卓というこじんまりした造り。メニューは店内のボードに掲載。家族皆さんで切り盛りされている。

暑い中を歩き回ったので、今回もご法度の「とりビー(とりあえずビール)」でスタート。お通しは「厚揚げの煮物」。つまみに名物「穴子天ぷら」と「ポテトサラダ」を注文。
DSC_0759.jpg

「穴子天ぷら」は一本使ったもので、できたての熱々を塩・コショウでいただく。適度に脂が乗りサクサクの衣で、さすが名物と頷ける。これで250円は破格。ポテサラもボリュームがあり、僕好みのちょっと甘めの家庭の味で美味。

ひと心地ついたので、日本酒に切り替え。カウンターに並ぶ日本酒から福島の「奥の松 特別純米」をチョイス。何も言わないと常温で出てくる。辛口のすっきりした飲み口が、穴子天ぷらの旨さを引き立てる。

二杯目は、高知の「土佐鶴 純米」。それとつまみに「コハダの酢〆」。
しっかりしたコクと米の味があり、辛口のキレが料理とよく合う。
DSC_0760.jpg

このコハダが大振りで皿いっぱいに乗っている。酢の〆方も適度で、日本酒のつまみにピッタリ。
DSC_0761.jpg

程よく酔ったので、今回はここいらで撤収。マスターが話好きのようで話が弾み、「市民酒場」や「岩亀稲荷」など色々貴重な話を聞けた。
ともかく家庭的、庶民的、初めて入ってもすぐに溶け込んでしまう居心地の良さを感じる店。まさに戦時中の使命感を今も受け継ぐ安くて旨い「市民酒場」万歳!!

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じゅん吟

Author:じゅん吟
日本酒をこよなく愛し、美酒との一期一会を求めて夜な夜な銘酒探訪が趣味のきき酒師です。
我が愛する「国際都市横浜」から日本の伝統的文化の一つである日本酒を発信するべく、「横浜美酒倶楽部じゅん吟」を構想しています。

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